「甘酒が髪の毛に良くて育毛効果がある」というウワサを聞いたことがありますか?
美容業界に長年携わっていた筆者は、お恥ずかしながら甘酒効果について聞いたことがなかったのです。
友人から、「甘酒ってハゲに聞くの?」と聞かれて、「え?甘酒っていいの?」と聞き返したくらいでした。
ということで、今回は「甘酒が髪の毛に効果があるのか?」について調べてみましたので、お伝えしていきます。
甘酒って栄養があるって聞いたことはあるけど育毛にもいいの?
甘酒効果は聞いたことがなかったので、今回、はじめて調べてみたよ。
早速、レポートしていきます。
甘酒で髪が生える?
今回、「甘酒は髪の毛に効果はあるのか?」「育毛できるのか?」「髪が生えるのか?」について調べてみたところ…
科学的な根拠は見つけられませんでした…。
また、甘酒で髪の毛が生えたという口コミも見つけられませんでした…
明確な根拠や証言がないのに、何故、甘酒には育毛効果があると言われているのでしょうか?
それは、甘酒には必須アミノ酸やビタミンB群、コウジ酸、エルゴチオネインといった栄養素が豊富に含まれているからです。
これらの栄養素の説明は後で詳しく説明しますが、簡単に言うと、頭皮や髪の毛の発育に必要な栄養を与え、アンチエイジング(抗酸化)作用の効果があると期待されている栄養素なのです。
この頭皮ケアや育毛に期待できる成分が入っているため、甘酒には育毛効果があると言われるようになったのだと考えられます。
いくら育毛の効果が期待される栄養素がたくさん入っていてもそれだけで増毛するわけではないので、科学的根拠などはなかったのです。
でも、やはり甘酒には髪の毛によい成分がたくさん含まれているため、サポート食品としては十分期待できる食品であることは間違いありません。
やっぱり甘酒だけではハゲ予防にはならないのか…。
たしかに甘酒だけで髪の毛に効果があるわけではないけど、甘酒は飲む点滴と言われるほど栄養成分が豊富なんだよ。
ここからは甘酒のすごさについて解説していくよ。
そもそも甘酒とは?
甘酒とは、日本の伝統的な飲料の一つで、甘味があり、白く濁っています。
酒という名前が付いていますが、アルコール含有量は比較的少ないです。
また、その歴史は古く、「日本書紀」には甘酒の起源とされるものの記述があります。
一般庶民に親しまれるようになったのは江戸時代のようで、夏に販売する行商も多く、栄養豊富なことから、夏バテを防ぐ健康食品として夏の風物詩とされていたそうです。
米麴(こめこうじ)から作られるものと、酒粕(さけこうじ)から作られるもの2種類があり、この原料の違いにより、栄養素やアルコール量、砂糖の有無なども異なってきます。
米麴甘酒
- 米麴を原材料として作られる
- アルコールは含まれない
- 米麴本来の自然な甘み
麹菌の発酵によって作られているため、アルコールは原則的に含まれておらず、子供や妊婦、アルコールの苦手な人でも飲むことができる甘酒です。
「飲む点滴」といわれているのは、こちらの米麹甘酒です。
米麴甘酒にはビタミンB群や必須アミノ酸が豊富に含まれ、更に抗酸化作用のあるエルゴチオネインは米麹甘酒のみに含まれています。
頭皮や髪の毛のためには、米麴甘酒をオススメします。
酒粕甘酒
- 酒麴を原材料として作られる
- 微量のアルコールを多少含む
- 砂糖を入れて甘味を出している
酒粕を水で溶き、砂糖を加えて作られている甘酒です。
微量ではありますが、アルコールを含んでいます。
酒麹は、美容に良いと言われているビタミンB群やセラミドを多く含み、プロリンや食物繊維などの美容成分も豊富なため、美容やダイエットに効果を期待する人におすすめします。
甘酒にも種類があったんだね。
でも、断然に米麴の甘酒推しだよね。
そうだね。
わたしたち男性陣には、頭皮ケア・ハゲ予防が期待される米麴甘酒がおすすめだね!
甘酒に期待される効果効能
米麹甘酒と酒粕甘酒、どちらにも健康や美容にいい栄養素がたっぷり含まれています。
ここでは、甘酒にはどんな効果・効能が期待できるのかお伝えします。
頭皮や髪の毛に栄養を与える
甘酒には頭皮や髪の毛に良い影響を与える栄養素がたっぷりと含まれています。
アミノ酸は髪の毛の主成分であり、必須アミノ酸に至っては体内で生成することができないので、特に必要な栄養素です。
ビタミンB群のビタミンB2やビオチンは育毛に関係し、しっとりサラサラのキレイな髪を作ることが期待できます。
コウジ酸やエルゴチオネインは、頭皮の老化予防や紫外線抑制、抗酸化作用があり、アンチエイジングの効果に期待が持てます。
肌の健康維持
ビタミンB群のB2・B6・ナイアシンなどは、肌を構成するたんぱく質の代謝を活性化し、ハリや弾力のある健康的な肌の生成を助けます。
また麹に含まれるコウジ酸が、シミ・くすみ・そばかすの原因となるメラニンの生成を抑制し、美肌を守ることが期待できます。
腸内環境を整える
オリゴ糖や食物繊維といった栄養素が豊富に含まれており、腸内環境を整える期待が持てます。
腸内環境が改善されると、便秘の解消にも繋がり、便秘による肌荒れ予防にも繋がります。
アルコールがない米麹の甘酒なら、アルコールが苦手な人や子供、妊婦さんなどの便秘改善にも利用できます。
疲労回復・栄養補給
飲む点滴と呼ばれるほど栄養満点の甘酒には、私たちの体に必要なブドウ糖・ビタミンB郡・必須アミノ酸などの人の身体に必要な成分が多く含まれています。
疲れを感じている時の疲労回復や栄養補給として食事の代用になります。
また、夏バテを防ぐ効果も期待できますので、暑い時期には上手く活用していくといいです。
エネルギー代謝サポート
甘酒に含まれるビタミンB群には代謝を促進する働きがあるので、脂肪を燃焼させやすく効果も期待できます。
ダイエットサポート
米麴の甘酒に多く含まれているブドウ糖は血糖値を上げ満腹感をもたらしてくれるので、ダイエット中の間食を抑えてくれます。
1食を甘酒に置き換えても、栄養満点の甘酒ならば健康的にダイエットを続けていけます。
甘酒には美容と健康維持のために必要な成分が多く、様々な効果効能に期待が持てるんだよ。
甘酒はメンズだけでなく、女子にも嬉しい飲料なんだね!
甘酒の栄養素
甘酒には豊富な栄養素が含まれていることは、ここまででも説明してきましたが、どんな栄養素が含まれているのかをもっと具体的にご紹介していきます。
自然界に最も多く存在する単糖類で、動植物が活動するためのエネルギーであり、人の身体に重要な栄養素。
食べ物から摂取した糖質を分解して最終的にブドウ糖になるので、すでに分解されているブドウ糖は、消化・吸収・エネルギー補給が早い。
米麴甘酒の栄養成分のうち20%はブドウ糖と言われているが、酒粕甘酒にはそこまで含まれていない。
人の身体は20種類のアミノ酸で構成されているが、その中の9種類は体内で生成することができず、食事から摂る必要がある。
この9種類のアミノ酸を必須アミノ酸と言い、甘酒にはこの必須アミノ酸9種類すべてが含まれている。
アミノ酸は髪の主成分でもあり、髪の毛にとってもとても重要な栄養素。
ビタミンB群は、糖質をエネルギーに効率よく変える手助けをする栄養素。
甘酒には、ビタミンB1、B2、B6、ビオチンなどが入っている。
B1は疲労回復、B2は新陳代謝を促進し細胞や髪の再生に役立ち、B6は皮膚や粘膜の健康維持、ビオチンはコラーゲンを増やし脱毛防止に期待。
コウジ酸はその名前からも連想できるように、甘酒を作る過程で麹が発酵する際に生み出される栄養素。
頭皮の老化予防や紫外線の刺激を抑え、頭皮を守る。
また美白の有効成分として認可されている美白成分であり、メラニンの生成を抑制し、シミ・くすみ・そばかすを予防する。
エルゴチオネインは抗酸化成分で、酸化による老化促進を予防。
髪や頭皮のアンチエイジング効果が期待される。
その抗酸化力は、ビタミンEの7,000倍と言われている。
酵素はたんぱく質の一種で、体内の栄養素の分解や運搬などの代謝に重要な働きをする。
甘酒には、糖質を分解するアミラーゼ、タンパク質を分解するプロテアーゼ、脂肪を分解をするリパーゼの消化酵素をはじめ、300以上の酵素が含まれていると言われている。
オリゴ糖は、ビフィズス菌などの腸内にいる善玉菌の栄養となり、腸内環境を整えてくれる期待が持てる。
腸内環境が改善されると免疫力がアップし、風邪などの病気になりにくくなる。
オリゴ糖と共に腸内環境を整えてくれ、便秘の解消に役立つ栄養素。
甘酒には本当にとても多くの栄養素が入っているんだね!
もう覚えきれないや。
ここでは説明しなかったけど、実はこれ以外にも多数の栄養素や成分が含まれているんだよ。
甘酒は栄養のかたまりだね!
甘酒を飲んだ人の口コミ
それではここで、実際に甘酒を飲んだ人の口コミを見ていきたいと思います。
冒頭で説明したように、甘酒を飲んで髪の毛が生えたとか、育毛・増毛できたというような口コミは見付けることができませんでした。
ですが、抜け毛・脱毛が減ったという体験談は数多くありましたので、いくつかピックアップしてご紹介します。
ここまでで、甘酒を飲んで抜け毛が減ったという体験談をご紹介してきました。
甘酒には頭皮や髪の毛以外にも期待される効果がありますので、その体験談もご紹介しようと思います。
ですが、抜け毛以外の良い体験談はあまり見付けられなかったので、1点だけ。
抜け毛が減った、という体験談は十分いいことだね。
ますます甘酒に興味が出てきたよ。
でも甘酒って飲み方とか、飲む時の注意点とかはないの?
くろすけにそう聞かれると思って、飲み方なども調べておいたんだ。
以下に解説していくよ。
甘酒の効果的な飲み方と飲む時間
甘酒は栄養素が豊富に含まれていて、様々な恩恵が受けられることが期待される飲料ですが、どうせならメリットを最大値引き出したいですよね!?
ということで、甘酒の効果を最大限に発揮できる飲み方をご紹介していきます。
- 育毛効果の恩恵を受けるためには温め過ぎない
- 飲む量は1回にコップ1杯程度、1日にコップ2杯程度を限度に
- 飲むタイミングは起床後の朝
- カロリー・糖質は高めなので飲み過ぎに注意!
育毛効果の恩恵を受けるためには温め過ぎない
甘酒は、冷やしても温めても美味しい飲むことができますが、温めて飲む際には、温度に注意する必要があります。
甘酒に入っている栄養素である酵素は熱に弱く、温め過ぎると熱によって栄養が損なわれる可能性があります。
特に育毛効果に期待のコウジ酸、ビタミンB類、エルゴチオネインは加熱により弱まるので、育毛効果の恩恵を十分に受けるためには加熱をしない、もしくは温めるにしても60℃以下に温めてください。
また、甘酒によっては非加熱処理のものがありますので、育毛効果に期待して飲むのであれば非加熱の甘酒を選ぶといいです。
飲む量は1回にコップ1杯程度、1日にコップ2杯程度を限度に
甘酒は栄養素を豊富に含んでいるのは素晴らしいことなのですが、同時にカロリーや糖質もけっこう含んでおり、液体という形状ということもあって体に吸収されやすいので、気を付けないといけません。
育毛効果に期待するあまりに過剰摂取してしまうと、糖分を取り過ぎてしまうので、逆効果になってしまいます。
1日の量は抑えて、毎日継続して飲み続けるのが理想です。
1度ではコップ1杯程度(30~100g)、1日ではコップ2杯程度、200g程度を限度にして飲むようにしてください。
飲むタイミングのおすすめは起床後の朝
甘酒の飲むタイミングは、どの時間帯に飲んでも問題ないのですが、1番のおすすめは起床後の朝に飲むことです。
朝起きてからの甘酒は、甘酒に含まれるブドウ糖が脳や身体にエネルギーを与え、目覚めさせてくれます。
またオリゴ糖や食物繊維、マグネシウムが腸内環境を整えてくれて、収縮運動を活発化させ不要なものを対外に排出する手助けをしてくれます。
昼であれば、午前中に消費したエネルギー補給と共に疲労回復効果で疲れを癒し、午後からの集中力や気力アップを補助します。
夜寝る前であれば、身体を温め、安らぎを与えて、睡眠の質の向上が期待できます。
甘酒をこれから始めるという人は、朝の目覚めの1杯からスタートしてみてください。
カロリー・糖質は高めなので飲み過ぎに注意!
前述した通り、甘酒は栄養素を多量に含むと同時に、飲料にしてはカロリーや糖質も高めなので、飲み過ぎには注意です。
飲み過ぎると、糖分の取り過ぎや肥満の原因となってしまう恐れがあります。
特に、血糖値が気になる人や糖尿病、食事制限をしている人は、1日コップ1杯程度に抑えるといいです。
甘酒をダイエットに取り入れる場合には、食事の置き換えなどに活用してみてください。
なるほど、飲み方、とても参考になったよ。
特に飲み過ぎには注意だね!
太りたくないもんね。
そうだね。
糖質を取り過ぎると逆効果で抜け毛が増える可能性もあるからね。
糖質と髪の毛の関係については、以下の記事も参考にしてみてね。
まとめ
今回は、甘酒は髪の毛に効果があるのかについて、調べてみました。
育毛や発毛・増毛を促進する明確な科学的根拠や口コミなどを見付けることはできませんでした。
ですが、甘酒には必須アミノ酸やビタミンB群、コウジ酸、エルゴチオネインなどといった頭皮ケアやヘアケアに役立つ栄養素が多量に含まれており、頭皮や髪の毛の栄養補給やアンチエイジングが期待できる飲み物であることがわかりました。
また、頭皮や髪の毛以外にも、疲労回復や夏バテ予防、脂肪燃焼効果、腸内環境を整えることに期待できることがわかりました。
甘酒はまさに、飲む点滴、健康食品、スーパーフードです!
ただ、飲料としては意外とカロリー・糖質が高めであるので、注意が必要です。
1回コップ1杯程度、1日コップ2杯程度を限度に飲むようにしましょう。
注意点をしっかりと守り、素晴らしい甘酒ライフをお過ごしください。
今回のことで甘酒にとても興味が出たよ!
早速試してみよっと。
わたしも今回はとても勉強になった。
美容・健康、何よりもハゲ予防を期待して始めてみよう。
起床後、朝イチの甘酒!
引用・参考サイト:農林水産省
厚生労働省e-ヘルスネット