「パーマをかけると抜け毛が増えて、薄毛やハゲになる」と聞いたり思ったことはないですか?
パーマ剤の独特のニオイや、髪の毛のダメージ、頭皮への刺激を感じるなどの実体験から、パーマから薄毛・ハゲを連想する人もいると思います。
でも本当にパーマ剤が薄毛やハゲを引き起こすのでしょうか?
今回は、プロの理容師(床屋)・美容師さん相手にパーマ剤などの美容商材や器具を実際に販売していた、筆者であるわたしの知識や実体験も含めて検証していきたいと思います。
ぼくもイメチェンでパーマかけたいと思っていたから、とても興味あるよ。
え!?
くろすけ、パーマに興味あるの!?
パーマをかけるとハゲるのか?の真実
まず初めに声を大にして言いたいのはこの一言です。
「パーマをかけても薄毛になったりハゲることはほとんどありません」
今回、この記事を作成するにあたり、様々なサイト、雑誌、参考書を見たり読んだりしました。
中には、パーマをかけると薄毛やハゲになるからパーマをかけずに育毛剤を使用した方がいいというような、育毛剤を売りたいからパーマ技術を否定しているといった主旨のものもありました。
ですが、プロの理・美容師さんに美容商材の説明をしていた、わたしの経験と知識、また参考書の内容を総合しても、パーマをかけると薄毛やハゲになるといった科学的な根拠はありませんでした。
もしパーマで薄毛やハゲになるのであれば、男性よりもパーマの頻度や需要のある女性の方が薄毛やハゲている人が多いはずですが、あなたの周りを見てもらっても女性よりも男性の方が薄毛・ハゲで悩んでいる人が多いと思います。
またパーマで薄毛やハゲになるというのなら、頭頂部や前頭部だけでなく、側頭部や後頭部、襟足などを含めて全体的に薄毛やハゲになってもおかしくないと思いますが、頭すべてツルツルという人はなかなか思い浮かばないと思います。
以上のことからも、パーマをかけても薄毛やハゲにならないという証拠になると思います。
ただ、パーマをかけても薄毛やハゲにならないというのは、注意事項を守り、常識的な範囲で使用方法を守ってパーマ剤を使用した場合に限って、というのも付け足さないといけません。
パーマの注意事項ってなんだろう?
パーマ剤は、本来、美容師免許などの国家資格がないと扱ってはいけない薬剤なんだよ。
だから注意しなければならないことも多々あるんだ。
間違ったパーマは危険
パーマの注意事項を守らなかったり、パーマ剤の使用方法が間違っていたり、すれば、頭皮や髪の毛に悪影響を与えて、切れ毛、抜け毛、薄毛、ハゲの原因となる可能性は十分にあります。
例えば、髪の毛が細く弱っている状態の時にパーマをかければ切れ毛などになり、薄毛やハゲになる可能性があります。
またパーマ剤の使用方法を間違うなどにより頭皮が荒れた場合、抜け毛や薄毛につながる可能性もあります。
パーマを頻繁に行うと、髪が傷んだり頭皮が荒れてしまい、切れ毛・抜け毛・薄毛・ハゲを引き起こすかもしれませんので、パーマとパーマの期間は3ヶ月ほど開けるのも大事なことです(求めるスタイル、頭皮や髪のダメージ、体質などにもよるので、パーマをかける時に理・美容師さんに相談してください)。
1番怖いのは、パーマ剤の知識が乏しい人が自分で自分の髪の毛にパーマをかける、いわゆる「セルフパーマ」の時の事故です。
パーマ剤とは厚生労働省の定めた薬事法に沿って、医薬部外品登録または化粧品登録されていて、国家資格である理容師免許や美容師免許を持ったプロの人が使用することを前提としています。
ただパーマ剤を髪につければパーマがかかるというものではなく、求めるスタイルや現状の髪質、頭皮の状態、体質、体調などによって、いくつもの種類があるパーマ剤を選び、頭皮などの肌を保護したり、髪の毛に栄養成分を補給したり、パーマをかけるためのロッドの大きさ・数・巻き方を選択したり、パーマ剤の量、放置する時間を決めたりなどなど…
様々なことを考慮に入れて、パーマをかけなければいけません。
プロの理・美容師さんでも狙ったスタイルを作れなかったり、失敗したりすることもある美容施術の中でも難しい技術がパーマです。
そんな難しいパーマを知識が乏しい人がセルフパーマするなど自殺行為と言えます。
それでも、種類は選べないですが、パーマ剤は量販店などで購入できるので、値段を安くパーマをかけたいのであれば自己判断にて行うこともできます。
ですが、かなりの手間がかかる、狙ったスタイルにできない、髪の毛にダメージが出るなどが考えられるので、総合的に判断すればプロの理・美容師に施術してもらった方が安いです。
ただ、パーマは、注意事項を守って行えば薄毛やハゲになる可能性はほぼありませんので、安心して理・美容室でパーマスタイルを楽しんでほしいです。
- パーマは信頼できるプロの理・美容師さんにかけてもらう
- セルフパーマはやらない
- パーマを頻繁にかけない
- パーマ後のヘアケアを行う
注意事項を守ればパーマをかけてもハゲたりしないってことだね。
安心したよ♪
パーマが薄毛になると言われる理由
パーマが常識の範囲で行えば薄毛やハゲの原因となる可能性はほとんどないことは説明しましたが、なぜパーマをかけると薄毛やハゲになると言われ始めたのでしょうか?
それは、冒頭でも書きましたが、パーマをかけると髪がダメージを受けてしまうことから、パーマ剤という薬液が頭皮に悪さをして髪が生えてこなくなるとか思われているからではないでしょうか。
しかし、頭皮と髪の毛は深い関係はあるものの別物であるため、髪の毛がダメージを受けたからといって、頭皮にも必ずダメージがあるとは言い切れないのです。
また頭皮は皮脂などで守られているのでパーマ剤からのダメージをすべて受けるわけではないし、生きている細胞でもあるので、ダメージを負ったとしても回復していきます。
一方の髪の毛は、パーマ剤の作用によってダメージを直接受けますし、「角質化した死んだ細胞の集合体」なので、ダメージを負うと自力で回復することはできない、つまりどんどんダメージは蓄積していってしまいます。
頭皮と髪の毛は関係性は深いですが、別の物なので、頭皮のダメージと髪の毛のダメージも別物 。
切り離して考えるくらいがちょうどいいです。
パーマとは
ここではパーマの歴史とかかる仕組みについて解説していきたいと思います。
パーマ剤がどのように髪に作用するのかがわかれば、パーマをもっと安心してかけることができるはずです。
パーマの歴史
パーマとはパーマネントウェーブの略語で、その起源は紀元前3000年に古代エジプト人が泥と木の枝でウェーブをつけたことだと言われています。
その後1872年にパリで「マルセルウェーブ」という濡れたら戻ってしまう一時的なパーマが考案され、1905年にはドイツで「ネッスルウェーブ」というホウ砂と加熱器具を使用したウエーブが発表、その後研究が重ねられ1940年頃に現在の形に近い「コールドパーマ」が出現しました。
日本では1930年頃、加熱機器を用いた電気パーマ、電髪(でんぱつ)が取り入れられ大流行。
戦争による影響でパーマは自粛、禁止となりますが、戦後の1960年にはコールドパーマが主役となり、施術や成分の追加など年々進化し続け現在に至ります。
日本パーマネントウェーブ液工業組合HP
紀元前3000年って!?
パーマってかなりの昔から楽しまれていたんだねー。
いつの時代もキレイになりたいっていう想いは変わらないってことだね。
パーマのかかる仕組み
パーマ剤は1剤と2剤があり、どちらも使用することによってウェーブを作り、保つことができます。
髪の毛には4つの結合(結びつき)があり、それらの結合によって髪の毛の真っすぐな状態やクセ毛の状態などを維持しています。
その結合を切るのが1剤で、結合が切れた状態の髪の毛をロッドに巻いてカールの形を作ったり、クセ毛を真っすぐにして伸ばしたりして、髪の毛の形を変化させます。
そして、その結合が切れている状態の髪の毛の結合を再びくっつける作用をするのが、2剤になります。
髪の毛がパーマで負うダメージのほとんどは、1剤を髪の毛につけている時に引き起こされます。
安定している髪の毛の結合をムリヤリ薬剤で切ってしまうのですから、髪の毛にダメージが加わるのは想像できると思います。
髪の毛の中ではそんなことが起こってたんだ。
知らなかったよ。
美容学校にでもいかなければ、習うことないからね。
パーマの頭皮への影響
パーマ剤は髪の毛の内部に浸透して結合を切ったりなどで髪の毛にダメージを与えますが、頭皮へはどのような影響を与えるのか改めて考えてみたいと思います。
パーマ剤は髪の毛と違い、頭皮へは何らかの結合を切ったり、奥深くまで浸透して毛包にダメージを与えることはありません。
頭皮に与える影響として考えられるのは、1剤に含まれるアルカリなどの成分が頭皮につくことによって刺激を受けて、皮膚が赤くなったり炎症が起こったりなどの接触性皮膚炎です。
接触性皮膚炎がひどくなって、抜け毛や薄毛、ハゲになる可能性はあるかもしれませんが、ほとんどの場合ありません。
また接触性皮膚炎になるのも肌が弱い人なら可能性がありますが、ならない人がほとんどです。
プロの理・美容師さんは薬剤が頭皮に極力つけないように施術してくれるし、頭皮の保護クリームを塗って薬剤が頭皮につかないようにしてくれます。
以上のことから、パーマが頭皮へ何らかの影響を与えることはほとんどありません。
とはいえ、頭皮への影響の心配があると思います。
パーマをかける前に心配ごとは理・美容師さんに話すと良い解決策が見つかるかもしれませんので、気軽に相談してみてください!
薄毛やハゲにならないためのパーマ後の頭皮ケア
パーマをかけても薄毛になったりハゲになる可能性はほとんどありませんが、それでもまったく可能性がないわけではありません。
パーマをかけた後の頭皮や髪の毛は確実にダメージを負って敏感な状態となっているので、なるべく刺激を与えないようにいたわってあげる必要があります。
頭皮や髪の毛のケアで頭皮環境を整え、薄毛やハゲになる可能性を更に減らしていきましょう。
ケアをすることによってパーマの持ちを良くして、パーマスタイルを長く楽しむこともできます。
ここでは頭皮ケア(スカルプケア)に焦点を置いて解説していきます。
ヘアケアについてはパーマをかけた理・美容師さんに聞いてみてください。
刺激の弱いシャンプーを使う
パーマ後の頭皮は敏感な状態となっているので、洗浄力の強いシャンプー剤を使用すると、更に頭皮はダメージを受けてしまう可能性があります。
シャンプー剤を刺激の弱いものにし、頭皮へのダメージを軽減、炎症などの頭皮トラブルのリスクを減らすことが大事です。
またパーマ後の頭皮は、理・美容室のパーマ処理の仕方によってはアルカリ性になっている可能性があります。
アルカリ性のままだとダメージが蓄積していったり、抜け毛や薄毛、ハゲになる可能性もあり得ますので、正常な弱酸性の状態に戻してあげる必要があります。
頭皮への刺激が弱く、弱酸性であるシャンプー剤であれば、アミノ酸系と言われるシャンプーがおすすめです。
アミノ酸系シャンプーとは、名前の通りアミノ酸系の洗浄成分を使用したシャンプーのことです。
洗浄力は強くはないですが、頭皮への刺激が弱く、弱酸性で、保湿効果があるのが特徴です。
ツメを立てて洗わない
シャンプー時にツメを立てて洗ってしまうと、普段でも頭皮がキズついて炎症などの頭皮トラブルを引き起こす可能性があるのに、パーマ剤で敏感になっている頭皮だともっとダメージを受けやすく、頭皮環境を悪化させてしまう可能性が高まります。
普段のシャンプー時よりも更に、ツメを立てるのではなく指の腹を使って頭皮マッサージをするように優しく洗い流していくことを意識してシャンプーしてください。
ぼくはツメが長いから気をつけないと!
シャンプーの仕方についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
頭皮にかゆみがあっても強くかかない
ツメを立てて洗わないことと同様になりますが、敏感になっている頭皮を強くかいてしまうと普段以上に頭皮がキズつきやすく頭皮の健康状態を損なう可能性があります。
頭皮にかゆみがある場合は指のツメを立ててかくようなことはせず、指の腹を使って頭皮マッサージをするように頭皮をもんでください。
頭皮のかゆみが軽減するのと同時に、頭皮マッサージによる血行促進が期待できますので、一石二鳥です。
髪は手ぐしで整える
パーマをかけた髪の毛にブラシなどが使うと引っかかりやすく、無理に通すと髪が抜けたり、パーマが取れやすくなる可能性があります。
またブラシなどを使うと、敏感になっている頭皮に当たった時にダメージを与えてしまう可能性もあるので、頭皮のためにもスタイル維持のためにも手ぐしでヘアスタイルを整えるようにしましょう。
やっぱり長い爪に注意だね!
血行促進のため頭皮マッサージを行う
パーマによってダメージを受けている頭皮の環境を整えるためには、頭皮マッサージもおすすめです。
頭皮マッサージによって血流が促進されると頭皮の細胞が活性化して元気な髪が生えやすくなります。
またパーマをかけた日は、カットだけの時より施術時間が長いので、イスに座っている時間が長くなり、体の疲れも感じやすくなります。
血行を良くしてあげると疲れが軽減しますので、体のためにも頭皮マッサージで血行を促進してあげましょう。
ただし、ツメを立てたり、力いっぱい指に力を入れての頭皮マッサージは、敏感になっている頭皮には逆効果なので注意が必要です。
血行促進のため頭皮マッサージを行う
パーマによってダメージを受けている頭皮の環境を整えるためには、頭皮マッサージもおすすめです。
頭皮マッサージによって血流が促進されると頭皮の細胞が活性化して元気な髪が生えやすくなります。
またパーマをかけた日は、カットだけの時より施術時間が長いので、イスに座っている時間が長くなり、体の疲れも感じやすくなります。
血行を良くしてあげると疲れが軽減しますので、体のためにも頭皮マッサージで血行を促進してあげましょう。
ただし、ツメを立てたり、力いっぱい指に力を入れての頭皮マッサージは、敏感になっている頭皮には逆効果なので注意が必要です。
頭皮マッサージのやり方の参考に、育毛の髪(神)様と呼ばれる板羽先生の動画を貼っておきますので、視聴してみてください。
番外編:海水浴やプールはしばらく避ける&行く時はケアをしっかり
海水浴のシーズンになると、おしゃれをして海やプールに行きたくなるものですが、特にパーマをした直後の海やプールは避けた方がいいです。
何故なら、敏感になっている頭皮や髪の毛に更なるダメージを与えるばかりか、せっかくかけたパーマが取れることにも繋がってしまうからです。
海水はpHが約8.1の弱アルカリ性なので、健康な状態だと弱酸性の頭皮や髪の毛をアルカリ性に傾け、ダメージを与える可能性があります。
髪の毛はアルカリ性に傾くとキューティクルが開いてしまい、髪の中の栄養成分が流出するだけでなく結合が切れてしまいます(厳密にはちょっと違いますが)。
パーマをかけてウェーブが出ている状態の髪の毛の結合を切ってしまうと、取れてしまう可能性が高いです。
また海水には塩分も含まれているので、浸透圧の関係で頭皮や髪の毛の水分を奪い、乾燥を誘発させフケやかゆみばかりか、抜け毛や薄毛・ハゲの原因とも成り得ます。
更に、海に行くということは紫外線もたっぷりと浴びるということにもなります。
頭皮や髪の毛は体の中で1番直射日光を浴び、紫外線の影響を受けてしまう場所です。
海水浴は、海水と紫外線の2つの悪影響を受けてしまうということです。
ではプールはどうなのかというと、プールはアルカリ性ではないのですが、菌が繁殖しない様に消毒のための塩素が使われており、この塩素が頭皮や髪の毛を乾燥させダメージを与える可能性があります。
つまり、海同様に頭皮や髪の毛に悪影響を与え、やはりパーマが取れる可能性があります。
海水浴やプールに行く時は、せめてパーマ直後の敏感になっている時は避けて、3日ほど、できれば1週間の期間を置いてから行くことをおすすめします(頭皮や髪の毛の状態によっては何日置いてもダメな場合があります)。
また海やプールでは、頭皮や髪の毛のためにしっかりとケアをする必要があります。
- UVケアスプレーや帽子などで紫外線を防ぐ
- アウトバストリートメントで髪の毛を保護する
- なるべく日陰で紫外線を避ける
- 出来れば髪の毛を濡らさない
- 帰宅前に海水やプール水をシャワーでしっかりと流す
- シャンプー時は普段よりも優しく洗う
- トリートメント(アウトバストリートメント)などのアフターケアをしっかり行う
すべてのケアをすることはできないかもしれないですが、1つでも多く実践することにより、頭皮や髪の毛の状態は変わってきます。
海水浴やプールに行く時には是非実践してみてください。
ぼくは水が苦手だから海やプールに入ることはないけど、覚えておこうかな。
パーマより危ないこと
パーマをかけたことによる薄毛やハゲの心配をするよりも大事なことがあります。
それは、普段の生活習慣です。
パーマによって引き起こされるかもしれない薄毛やハゲよりも、不規則な生活習慣によって引き起こされるかもしれない薄毛やハゲの方が確立が高いと言えます。
- 慢性的な栄養不足
- 暴飲暴食
- 睡眠不足
- 運動不足
- ストレス
注意すべき生活習慣の内容を見て何か当てはまることがある人は、薄毛やハゲになる可能性を秘めています。
すぐにすべてを改善することはできないですが、薄毛やハゲになる可能性を減らすためにも、できることから少しでも改善に取り組んでいきましょう。
毎日の積み重ねが将来の頭皮環境を作っていきます。
まとめ
今回は「パーマをかけると抜け毛が増えて、薄毛やハゲになるのか?」というウワサについて調べてみました。
パーマは注意事項を守ってかければ、抜け毛や薄毛、ハゲになることはほとんどないです。
ですが、薄毛やハゲになってしまう可能性がまったくないわけではないので、パーマ後のケアをしっかりと行っていきましょう。
また、規則正しい生活習慣を過ごし、より安心してパーマスタイルを楽しんでください!
よし!
ぼくもパーマスタイルにチャレンジしてみようっと。
くろすけ、パーマかけるの本気なんだね…。
猫種が変わっちゃいそうだけど…。